習作 発表会 の 86 番の書き込みへコメントを付けます.
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書き込み:(1行は折り返さないように30文字程度で改行してください。)
> 以前伝統和声の実施を乗せたとき > >> とても良い感じで素敵な曲ですが、なぜか私には最後があと >> 数小節続くところを急に切ってしまったように聞こえてしまいます。 > > とコメントをもらったのですが、よく考えてみると重大な問題 > があると今頃になってようやく気が付きました。 > > そういうわけで、作曲法サポートページに掲載されている伝統 > 和声のなかから私と一之瀬氏の実施を分析してみました。転調 > 構造や旋律解釈が露骨に表れた良い例かもしれません。 > > ないと困るので一之瀬氏が実施したものをGIFで添付します。 > > 再考察 > > 楽曲全体に渡って課題のソプラノはなだらかな起伏を作ってい > ます。このソプラノと並行するように他の声部もなだらかな運 > 動を与えました。 > > 1〜4小節 > > ソプラノはiii => #vii と緩慢な経過進行を見せています。こ > れをI => V の緩慢な進行と捉え、バスにもi => v の直線的な > 動きを与えました。 > > 5〜8小節 > > 転調しつつ、ソプラノはv からiii までを駆け上がり、すぐに > i へ落ち着きをみせます。ここも同様にI => I46_V => I の緩 > 慢な動きと捉え、経過的なバスを与えました。ここまで一之瀬 > 氏の実施と殆ど同じ。 > > 9〜12小節 > > ここから、一之瀬氏とは大きく解釈が変わりました。この四小 > 節を私は反復進行と捉え、次の四小節への緊張増大局面を作り > ました。従って8小節で一セットです。 > > 属和音を連続させてA major(主調から見るとvii 調) をめざし > ています。しかしvii 調から見ると、+VI => +II => +V => I > (+ 記号は属和音化したもの)ですから、多義的に解釈できま > す。実際にこの部分は属和音化しなくてもvii 調の固有和音だ > けでも実施できます。 > > 主調から見るとVIIIですが、実施の時にはiii.V 考えていまし > た。13小節で減七和音を介して「iii.V => III」をエンハー > モニックチェンジし「V => I」へ所属転換させています。 > > 従って転調構造は > I => III =>(iii.V = i.V)=>I > I (1〜4小節) > III (5〜8小節) > iii.V =i.V(9〜12小節) > I(13〜19小節) > と簡略化することができます。 > > 長調ではI => V => I が転調の定石ですが、短調ではV の代わ > りにIII を使うことが多いです。すでに5〜8小節で不安定局 > 面を作ったのですから、あとは主調のI を目指して、弛緩する > だけです。 > > 一之瀬氏の実施はI => III => I 構造です。9〜12小節では > 一時的にvii 調を匂わせるものの、強力なI 調の支配下にあり > ます。H minor のII6 和音は直前のD major から見て属九の和 > 音とエンハーモニック関係これを契機にI の支配域へ復帰しま > す。この違いはその後の実施にも影響を及びました。 > > 13〜19小節 > > V から始まりI を思考する典型的な終結パターンです。私の実 > 施はI を中心とした細かな揺れに始まり、V 和音を目指して一 > 直線に表情エネルギーを蓄えていきます。 > > それに呼応してバスはI の付近をうろついた後、冒頭と同じパ > ターンを通ってV 和音の根音へ直線的な経過進行をします。 > > 17小節でI が打たれると同時に全ての表情エネルギーを開放 > します。この時点でソプラノはI に達し、動きを止めるととも > に他の声部は保続音の上で上昇しながら力を失いrit.で曲を閉 > じます。 > > 従って楽曲全体の開放点はソプラノのH 音です。表情エネルギ > ーはその直前まで蓄積され、緊張感を失いません。かなり大げ > さな和声実施です。 > > 一方で一之瀬氏はさらりと流しています。I => III => I が示 > される以上に緊張局面は不要だということでしょう。後半はな > だらかなエネルギーの弛緩局面を作っています。 > > ソプラノの動きは#vii => i => ii => iii => ii => i となだ > らかなカデンツを作っています。ここにI46_V7 => I と解決局 > 面を時間的に引き伸ばし、I への沈静化を明記しています。 > > 全体を見渡して > > 主調へ復帰した時点でやたらと大げさな表現をした事が原因で > しょうか。実際にこれを演奏するとなると、やはり輪をかけて > 大げさな表情をつける必要があります。 > > 私もいつの間にかメンデルスゾーン病に罹ったようです。情動 > 的であれば善しとするのでは楽曲全体を見渡した構造構築が出 > 来ているとは言えないかも知れません。一之瀬氏の和声は様式 > 的な美しさと楽曲全体の落ち着きを持っています。 > [
http://www.tnet.to/filer/150/r60.gif
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http://www.tnet.to/filer/150/CHANT.MID
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