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第1章の課題です。内音の課題であっても、分散和音というよ りも複数の音の動きが耳で追えるように作られていることがわ かります。 旋律と言う物は、音を運動として捉えた結果なのでしょう。ど の曲も順次進行が基本になっています。小節線を越えた旋律の 基本線が大きな流れを作っていると観測できると思います。 経過音の課題は2つ載せています。片方は設定された和音にお ける3度の間を動くだけですが、他方は大きな分散線を繋ぐた めに、経過和音が設定されている事が思います。 [ http://www.tnet.to/filer/156/01_06.mid 6.55KBytes (6708Bytes) ]
おなじみ、作曲法5.01課題です。前回のバージョンアップにと もない、借用和音や変質和音の項目が削られさらに簡素になり ましたが、第三章(旋律構造)の内容は変わっていません。 アップロードするファイルは第三章旋律構造の課題です。課題 では低音と旋律だけを書くようになっていますが、和音記号が 無いと意味不明になる可能性があるので伴奏の内声を補充して います。課題16に連続五度がありますが、直し忘れです。伴奏 の内声と旋律の間では連続規則を無視しています。 課題13 1:1 課題14 1:1:2 課題15 1:1 (半楽節) 課題16 1:1:2 (半楽節) しかし、次のような書き方のほうが理解しやすいのは理工系の 人間だけでしょうか。 課題13 1:1 課題14 (1:1):2 課題15 (1:1):(1:1) 課題16 ((1:1):2):((1:1):2) [ http://www.tnet.to/filer/155/13_16.MID 2.3KBytes (2357Bytes) ]
あまり凝っても意味がないかとも思ったのです。旋律の書き方 にはだいぶ慣れてきましたが、本当に必要最小限の物を書ける ようにした方が良いのかなとも思っています。 でも、自分では結構気に入っていたんですよね。この曲。それ だけに自分流の手法も気に入っていたので、代えるべきかどう かも悩みどころでした。 > でした。 ^^; 理解が難しい要因の一つには、音楽に関する説明は > どこに対して説明しているのかわかりづらいからというのもあるの > ですが。 楽譜も掲示しないと伝えるのも難しいですね。改めて楽譜の意 味を感じます。 それはともかく、一之瀬氏も結構忙しそう。
今回は一ノ瀬さんの課題実施例も聴いてみましたが、かないさんの 曲の方が後半が特に凝った作りになっていると感じました。 同じ旋律でも、いろいろ違ったアレンジが出来るものなんですね。 私が曲が急に切れてしまうように聞こえたのは、どうやら最後が 3小節で終わっているからのようです。一ノ瀬さんの曲は、フェルマータ が付いているので終わっている感が出ているようです。 それにしても、記事の内容が高度すぎて私にはほぼ理解できません でした。 ^^; 理解が難しい要因の一つには、音楽に関する説明は どこに対して説明しているのかわかりづらいからというのもあるの ですが。 ただ、伝統和声では旋律から和音を割り当てる方法も教えられて いるのですね。今まで作曲法では、和音から旋律を作り出す練習 ばかりでその逆がなかったのが不思議でした。 tos.
以前伝統和声の実施を乗せたとき > とても良い感じで素敵な曲ですが、なぜか私には最後があと > 数小節続くところを急に切ってしまったように聞こえてしまいます。 とコメントをもらったのですが、よく考えてみると重大な問題 があると今頃になってようやく気が付きました。 そういうわけで、作曲法サポートページに掲載されている伝統 和声のなかから私と一之瀬氏の実施を分析してみました。転調 構造や旋律解釈が露骨に表れた良い例かもしれません。 ないと困るので一之瀬氏が実施したものをGIFで添付します。 再考察 楽曲全体に渡って課題のソプラノはなだらかな起伏を作ってい ます。このソプラノと並行するように他の声部もなだらかな運 動を与えました。 1〜4小節 ソプラノはiii => #vii と緩慢な経過進行を見せています。こ れをI => V の緩慢な進行と捉え、バスにもi => v の直線的な 動きを与えました。 5〜8小節 転調しつつ、ソプラノはv からiii までを駆け上がり、すぐに i へ落ち着きをみせます。ここも同様にI => I46_V => I の緩 慢な動きと捉え、経過的なバスを与えました。ここまで一之瀬 氏の実施と殆ど同じ。 9〜12小節 ここから、一之瀬氏とは大きく解釈が変わりました。この四小 節を私は反復進行と捉え、次の四小節への緊張増大局面を作り ました。従って8小節で一セットです。 属和音を連続させてA major(主調から見るとvii 調) をめざし ています。しかしvii 調から見ると、+VI => +II => +V => I (+ 記号は属和音化したもの)ですから、多義的に解釈できま す。実際にこの部分は属和音化しなくてもvii 調の固有和音だ けでも実施できます。 主調から見るとVIIIですが、実施の時にはiii.V 考えていまし た。13小節で減七和音を介して「iii.V => III」をエンハー モニックチェンジし「V => I」へ所属転換させています。 従って転調構造は I => III =>(iii.V = i.V)=>I I (1〜4小節) III (5〜8小節) iii.V =i.V(9〜12小節) I(13〜19小節) と簡略化することができます。 長調ではI => V => I が転調の定石ですが、短調ではV の代わ りにIII を使うことが多いです。すでに5〜8小節で不安定局 面を作ったのですから、あとは主調のI を目指して、弛緩する だけです。 一之瀬氏の実施はI => III => I 構造です。9〜12小節では 一時的にvii 調を匂わせるものの、強力なI 調の支配下にあり ます。H minor のII6 和音は直前のD major から見て属九の和 音とエンハーモニック関係これを契機にI の支配域へ復帰しま す。この違いはその後の実施にも影響を及びました。 13〜19小節 V から始まりI を思考する典型的な終結パターンです。私の実 施はI を中心とした細かな揺れに始まり、V 和音を目指して一 直線に表情エネルギーを蓄えていきます。 それに呼応してバスはI の付近をうろついた後、冒頭と同じパ ターンを通ってV 和音の根音へ直線的な経過進行をします。 17小節でI が打たれると同時に全ての表情エネルギーを開放 します。この時点でソプラノはI に達し、動きを止めるととも に他の声部は保続音の上で上昇しながら力を失いrit.で曲を閉 じます。 従って楽曲全体の開放点はソプラノのH 音です。表情エネルギ ーはその直前まで蓄積され、緊張感を失いません。かなり大げ さな和声実施です。 一方で一之瀬氏はさらりと流しています。I => III => I が示 される以上に緊張局面は不要だということでしょう。後半はな だらかなエネルギーの弛緩局面を作っています。 ソプラノの動きは#vii => i => ii => iii => ii => i となだ らかなカデンツを作っています。ここにI46_V7 => I と解決局 面を時間的に引き伸ばし、I への沈静化を明記しています。 全体を見渡して 主調へ復帰した時点でやたらと大げさな表現をした事が原因で しょうか。実際にこれを演奏するとなると、やはり輪をかけて 大げさな表情をつける必要があります。 私もいつの間にかメンデルスゾーン病に罹ったようです。情動 的であれば善しとするのでは楽曲全体を見渡した構造構築が出 来ているとは言えないかも知れません。一之瀬氏の和声は様式 的な美しさと楽曲全体の落ち着きを持っています。 [ http://www.tnet.to/filer/150/r60.gif 19.62KBytes (20091Bytes) ] [ http://www.tnet.to/filer/150/CHANT.MID 3.45KBytes (3536Bytes) ]
> とても良い感じで素敵な曲ですが、なぜか私には最後があと > 数小節続くところを急に切ってしまったように聞こえてしまいます。 通常ならこの後に再現部がきてもおかしくないですよね。 大規模な曲だとそうした構造を持つものが多いですし。 他には終結が引き伸ばされるような形でさらに変終止が組 み込まれていることも原因かもしれません。主音で終わっ ていませんし。
伝統和声は一筋縄ではいかない物も扱っています。作曲 法との違いは、例えば外音の扱いに関して具体的な指針 がある程度示されています。 初めてディグリー併記数字付低音を見る人には若干扱い づらいでしょう。一之瀬氏に難しいのではないかと掲示 板で聞いてみたのですが、やはり難しいだろうとの事で す。 次回からは伝統和声の募集をするとの事です。既に終え てしまったので横から観戦しようかと思っています。